平和を創る建築家でありたい ~基地のある島に生まれて、先人の魂のささやきを聞く~ 『ロンシャンの礼拝堂』
ロンシャンの礼拝堂
翁長知事が亡くなって、承認撤回、沖縄県知事選、県民投票署名・・・。大変なことをひとつひとつ乗り越えながら、私たちはちゃんと新基地建設押し付け反対の意思を示してきているのに、
今度は港が使えないからと言って、民間企業「琉球セメント」の桟橋を使って、土砂を詰め込みはじめました。東京から一方的におしつけて、こんなの、どう考えてもおかしいでしょ。もう、機動隊にうちなーのお年寄りたちが囲まれて強制排除されるのは見るのもつらいです。
辺野古新基地:防衛相、14日に土砂投入 埋め立て予定(沖縄タイムス) - Yahoo!ニュース
岩屋毅防衛相は3日午前、沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、辺野古海域への土砂投入を今月14日に予定していると発表した。沖縄防衛局は同日午前、名護市安和にある琉球セメント所有の桟橋で埋め立て土砂の搬出に向けた作業を開始した。桟橋から大型船に土砂を積み込み、辺野古に向けて搬出する。
私たちは、ずっと苦しみばかりじゃないですか。
12月3日(月)、名護市辺野古の新基地建設に向けてとみられる土砂搬出作業が、名護市安和の民間港で始まってます。ベルトコンベヤに載せられてます。#辺野古 #henoko #沖縄 #okinawa pic.twitter.com/Vutx3J3bzg
— 琉球新報辺野古・ヘリパッド取材班(沖縄) (@henokonow) December 3, 2018
そして、琉球セメントの母体が大手ゼネコンの宇部興産だということは聞いていたけど、こんな長い植民地主義と収奪の歴史がある国策会社だなんて知りませんでした。
また何百人もの遺骨が宇部鉱山の冷たい海底に眠っている、その多くは朝鮮半島から連れてこられたひとたちであり、また貧しさゆえに苦役を強いられたウチナーンチュだったんですね。
とっても悲しくなりました。
こんな時に、いつも思いだしてしまうのは、ある建築会社のこと。
その社長さんの記事がとても感動的で忘れられなくて、私だけじゃなくて、この詩が忘れられない、って友達のあいだでもよく話題になるので、
いっかい、ちゃんとブログにしておこうと思います。いつも読むたびに感動して泣きそうになる。
「平和を創る建築家でありたい」
そんな、うちなーの建築会社。
心から、
ほんとうに心から、
うちなーの誇れる建築会社だとおもいます。
みんなにも読んでもらいたいです。
私は建築家ではないけれど、建築士の免許も持っていないけど、私も「平和を創る建築家」のひとりでありたい、って思います。
ロンシャンの礼拝堂
東恩納厚 東恩納組代表取締役会長
風冷えてひかげたた庭の隅踏むと
われの代わりに泣く霜柱
中学の頃、埼玉県の叔父の家に下宿していた。家が恋しくて毎晩枕を濡らした。「人間到る所青山あり」とはならなかったが、かけがえのない時を過ごした。
さておき、近代建築の巨匠のひとりに Le Corbusier がいる。彼の作品は世界7カ国で17作品が世界遺産に登録されている。又、近代建築の五原則を提唱したことで知られる。
フランスのロンシャン地方に、中世に建てられた礼拝堂が存在していた。それは、第二次世界対戦でナチスドイツの爆撃により失われた。
請われて彼は、五年の歳月を要し、新たな礼拝堂を作った。
同じく私たちも平和を希求する建築家である。
我が社は辺野古の基地建設に決して参入しない。
私たちは、子供たちに何を残すのか。それは誇れることなのかに仕事の基準を置く。
ロンシャンの礼拝堂
愛する人と暮らし
ただ平穏を
神に祈ったこの地で
大きな争いがあった
あまたの命が奪われ
夢や希望
小さな幸せさえも
失われた礼拝堂
私たちも
基地のある島に生まれて
先人の魂のささやきを聞く
子供たちに何を残すのか
平和か戦争か
命の重さ
平和の尊さ
それがすべて
茶色の大きな屋根と
白く厚い壁のこの礼拝堂を
コルビュジエは何を思い
創ったのだろう
私たちも
平和を創る建築家でありたい
Atsushi Higashionna
戦争は
問題解決の
最後の手段ではなく
最後の間違いだ
Heinz Fischer