写真家たちは45年間の
沖縄の姿をどう捉えたのか
沖縄では1972年の本土復帰以降、世界的にも評価の高い写真家たちが独自の視点で沖縄の姿を撮影しており、現在も多数の写真家が活躍しています。本展では彼らの写真約150点により、本土復帰から今に至る沖縄の姿を大規模に展観します。
沖縄本土復帰45年特別展
写真家が見つめた沖縄 1972-2017
2017.4.25(火)- 5.21(日)
沖縄県立博物館・美術館
1972-2017
沖縄では1972年の本土復帰以降、世界的にも評価の高い写真家たちが独自の視点で沖縄の姿を撮影しており、現在も多数の写真家が活躍しています。本展では彼らの写真約150点により、本土復帰から今に至る沖縄の姿を大規模に展観します。
戦後、経済の発展と沖縄の観光地化との関係によって、沖縄を捉える写真のイメージは強く固定され続けてきた。海や自然といった観光的イメージから、文化を示すような古い町並みや島々、老人たちのイメージ、それらの対局にある現代のイメージとしての基地や社会問題のイメージまで、社会を中心としたイメージは、社会的価値を持っているが故に消費されやすく、それが沖縄のイメージとなっていった。
しかし世界的にもそうであるように、写真の立場は、社会のなかの個人という立場から、個人から考える社会という立場に時代とともに変化してきた。もともとは、自然のイメージをとっても、島々や老人のイメージをとっても、社会問題のイメージをとっても、それぞれの時代の、それぞれの人々にとっての必然性から生まれたものであり、社会的な消費に耐えられるものは個人の存在の強さでもある。
復帰後、沖縄においても、これまでに見られた社会的立場を中心とした写真に加えて、より個人的な表現としての写真活動が活性化してきた。その結果、写真表現は方法や形式の呪縛から解放され、それぞれが互いにより深い意味を持つものとして存在することができている。写真はもっと自由になれるし、その方がより大切なものが見えてくると信じたい。